醗酵させる
蒸煮した大豆に納豆菌をジョウロで散布し、経木に詰め、備長炭で温めた室で20時間発酵させる。備長炭を使った発酵方法は、下仁田納豆創業以来変わらない製造方法の一つです。
備長炭を入れた七輪にはやかんをかけ、温度とともに湿気を室の中に巡らせることで、室内は湿度を飽和状態に保ち、温度は40度を保っています。温度と湿度を保つだけでなく、大切なのは備長炭の遠赤外線。様々な調理で備長炭の遠赤外線効果は実証されていますが、大豆もまた、ふっくらとした仕上がりに遠赤外線効果は欠かせません。
電気制御の空調で室の温度を温めることが一般的ですが、何よりこの天然の遠赤外線効果を大豆に与えてあげるためには、電気ではなく備長炭での発酵を守っています。とはいえ自然の炎とやかんの湯気で調整する温度と湿度。定期的に人の目で確認し、必要に応じて天窓を開けて温度調整をしながら20時間、じっくりと発酵させています。
納豆菌がしっかり育つように、納豆がふっくらと仕上がるように。納豆は生き物です。その成長に目を配りながら、下仁田納豆は造られています。